2016年1月30日土曜日

歴史の宿 金具屋に泊まる ~源泉巡り編~


金具屋には、文化財巡りツアーの他に、もう一つ源泉巡りツアーというものがある。
自社で保有している4つの源泉の場所や特徴を、50分かけて案内してくれるのだ。
ツアー開始時間はチェックアウト前の8:30。
夜型の身体には少々キツイ時間だが、折角なので参加してみることにした。


案内の方の挨拶もそこそこに、早速源泉巡りが始まる。
まずは、浪漫風呂に使われているという、金具屋別荘源泉へ。
迷路のような建物の間を行くだけで、ちょっとワクワク感が増してくる。


到着したのは、ステンドグラスの窓が特徴である浪漫風呂の建物のすぐ隣。
その奥に、絵に描いたような地下への入口がある。
どうやらそこに源泉があるらしい。


その地下入り口の直ぐ側には、配管が張り巡らされた大きな水槽がある。
ここの源泉は約50℃と高いので、ここで温度調節をしてから配水しているらしい。


お待ちかね、地下探訪タイム!
頭をぶつけそうな入り口を、慎重に降りていく。


地下は思ったより空間が広い。
この奥に源泉が湧いている部屋があるのだが、驚いたことに位置的に浪漫風呂の真下ではないか!
電動ポンプで汲み上げているので、そのまま浴槽にというわけではないがちょっとびっくり。


続いては、少し歩いて源泉名「金具屋第3ボーリング」へ。


モクモクと湯気が立つところにやって来た。
コンクリートの不思議な建物が源泉を溜めているところらしい。
HPには自噴と言って勝手に湧き出している温泉とあるが、この時の説明では、地下にエアーを送ってそれで揚水しているとの事だった。
ちなみに、この温泉は宿泊した潜龍荘の客室のお湯に使われているらしい。


温泉の析出物で覆われた壁の一部を剥がして、ツアー客に配布。
一見アヤシイこの白い粉は、外見こそ塩っぽいものの、舐めてみるとかなり渋い!
この味が渋温泉の名前の由来だそうな。


金具屋に戻り、鎌倉風呂横の木の蓋を開ける。
このお湯は、ここが源泉ではなく、荒井河原比良の湯と温泉寺源湯の混合湯とのこと。
鎌倉風呂の湯に使われている他、温泉街の道の融雪管にも流れているらしい。


最後に、車で駐車場まで移動して、金具屋第1,2ボーリングへ。
モクモクと湯気が立つその源泉温度は、なんと98℃!
隣には金具屋従業員の女子寮があり、なんとも羨ましい環境だ。


この源泉は自噴なので、ポンプがなくとも勝手に温泉が湧いてくる。
ボコボコと音を立てている温泉槽のフタを開けると、手をかざすだけで暖かい。


源泉ツアーのクライマックス、温泉の噴水!
10mほどの高さで、勢い良く熱湯の温泉が吹き上がる。
生憎の曇り空だったが、青空が見える時はとても綺麗な光景だそうな。
この源泉は間欠泉なので、噴水はしばらく経つと収まり、また再び噴出すという面白い光景が見られる。
ちなみに、源泉上にある鉄塔は揚泉管の掃除に使うもの。
ここの温泉は析出物が多く、定期的に清掃を行わないと管が詰まってしまうのだ。


地表に出てきたばかりの温泉。
噴水からのおこぼれのため多少温度は下がっているが、かなり熱い。
そのお湯を手にまぶすと、あら不思議、とてもスベスベな肌に…


色々勉強になったこのツアー。
一つ心残りなのは、説明を聞いた後にお風呂に入る時間が無いということ!
色々な効能や源泉の特徴を折角聞いた上、寒い外での活動で体が冷えてしまったので、やっぱり暖かいお湯に入っておきたい。

この源泉ツアーは、全国の温泉地でも開催しているところは珍しいらしい。
というのも、普通は源泉というものは複数の旅館の共同所有で、非常に管理や権利が厳しいため、他所の人に見せることは出来ないそうな。
では、なぜこの金具屋はツアーを開催出来ているのか?
それは、源泉名からも分かるように、これら4つの源泉は全て金具屋所有の独自の源泉なのだ。
このことからも、金具屋の歴史の凄さが見て取れる。
朝頑張って起きることができるのであれば、是非とも源泉ツアーへの参加を勧めしたい。

○関連リンク
歴史の宿 金具屋に泊まる ~文化財巡り編~
・歴史の宿 金具屋に泊まる ~源泉巡り編~
渋温泉 金具屋 情景

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