土佐の山間に架かる小さな橋「田丸橋」。
"屋根つき橋"という特殊な種類に分類されるこの橋は、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」に登場し、一躍有名になった。
ドラマから想像すると田園のど真ん中に堂々と架かっているイメージだったが、
実際は狭い谷を流れる小さな川の上に、ひっそりとその橋はあった。
直ぐ近くには人家や製材所などもあり、意外と賑やか。
橋の入口には、内子町有形民俗文化財登録の記念碑が立っている。
橋の入り口に立つ。
1944年に洪水で流された橋に変わって架けられたというので、それから約70年の時を経ている。
未だに作りはしっかりしており、全て木で作られたその姿は非常に美しい。
床面に目をやると、これまた職人技。
細い曲がった木の形を上手く組み合わせて、隙間ない床板に仕上げられていた。
手摺のトラス部分は、綺麗な組加工がされていた。
釘を使っていないところに、作った人の執念が感じられる。
橋の上から麗川を眺める。
この川、水の透明度が高く、川底の青い石と相まってとても美しい流れをしていた。
こんな川の近くで生活したいなぁ。
橋の裾から川に降りられる石積みの階段があった。
この階段はいつ造られたものだろう?
かなりの歴史が感じられる造りだ。
折角なので川に降りてみる。
川から見ると、橋の下部構造がよく分かる。
主桁は3本の太い丸太だ。
蔦がいい感じに絡まっている。
一部ボルトが使われているようだが、後からの補強だろうか?。
濁り一つ無い麗川と田丸橋。
自然と人間との営みが上手く調和している。
最後に渡りきった全景。
屋根は杉皮で作られているよう。
雪がそれほど積もらない土佐ならではの作りだ。
苔むしていい感じの石積みの橋台にも注目したい。
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この麗川には、いくつか屋根付橋があるらしいが、少し山道を進んだところに新しい橋がかかっていた。
平成6年完成の「下の宮橋」。
一見昔ながらの作りを受け継いでそうに見えるが、屋根の作りや橋台を見ると平成感がたくさん。
この橋もあと何十年かすると、良い感じの風貌になっているのだろうか?
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