2016年1月28日木曜日

歴史の宿 金具屋に泊まる ~文化財巡り編~


長野県下高井郡山ノ内町。
スノーモンキーで有名な地獄谷野猿公苑すぐそばの渋温泉に、一度訪れてみたかった老舗の温泉旅館がある。
「歴史の宿 金具屋」だ。
ジブリ映画「千と千尋の神隠し」に登場する油屋を彷彿させるその佇まいは、
まさに現実からかけ離れた世界に来てしまったような気分にさせてくれる。


全国に沢山ある温泉宿がやや斜陽産業となっている中、ここ金具屋は平日でも多くの客で賑わうほど人気の宿。
テレビや雑誌などのメディアの露出が増えていることが主な要因だが、古き良き時代の遺産を丁寧に受け継いでいる金具屋独特の雰囲気に、多くの人が惹かれているのだろう。


この金具屋、一般向けには所謂日帰りサービスは全く行っていない。
建物の見学はもちろん、幾つもある館内の温泉に入るには必ず宿泊する必要がある。

この日は車での訪問。少し離れた駐車場に車を停めて送迎車で宿に到着。
古さを感じさせないモダンなロビーで、まずはチェックインを済ます。
普段の生活とは全く違う、老舗旅館ならではのおもてなしにちょっと戸惑いつつも部屋に向かう。


今回宿泊した部屋は、潜龍閣の「志のぶ」と名付けられた502号室。
潜龍閣は、金具屋の象徴的存在である斉月楼とは別の建物であるものの、建てられたのは斉月楼よりも古い明治41年。
内装はリフォームされているが、いたるところに古き良き日本建築様式が見て取れる。
窓ガラスも、今ではあまり見る機会のない表面が波打ったもの。
おそらく、戦前に作られたものをそのまま受け継いでいるのだろう。
美しい日本庭園が見えるその窓の向こうには、寒さを象徴する大きな氷柱が出来ていた。


金具屋では、国登録有形文化財である斉月楼と大広間を中心に、館内の文化財を巡るツアーが毎日17:30から開催されている。
部屋でゆっくりするのも良かったが、折角なのでツアーに参加してみた。


ツアー集合場所は、金具屋8階に位置する大広間。
窓の外を見ると、雪化粧の温泉街が夕日に照らされていた。


木造ならではの豪華さと温かみを感じる、大広間へと続く階段。
ここだけでも、十分「千と千尋」っぽい。


大広間に到着。
130畳の広さを誇るこの部屋の特徴は、なんといっても柱が無い広い空間であること。
建設は丁度80年前。
当時の職人さん達の技術に驚かされる。


もともと宴会場として作られたこの大広間。
今でもイベント(音楽フェスとかやってるらしい!)会場として使われているらしいが、
そう言った催し物が無い時は、宿泊客の飯処として使われている。
もちろん宿泊客全員ではなく、有所ある部屋に泊まっている人だけらしいが…(自分たちは別の部屋だった。)


ツアー開始時間近くなると続々浴衣姿の宿泊客が集まってくる。
暖房があると言っても、1月中旬のため寒い会場内だったが、思ったより参加者は多い。
ツアーは、なんと金具屋9代目自ら説明。
親近感のある慣れた口調で、早くも金具屋の魅力に皆取り憑かれてしまう。


詳しい説明内容は本家サイトにお任せするとして、まず感じたのは「木」についての話がとても面白いということ。
木造建築の話となると自然と木の話になるわけで、「柾目」なんて単語が普通に出てくる。
その方面に精通している人には、とても魅力的な話だろうと思う。
もちろん、一般の人が聴いても十分面白いし、何より戦前から続く歴史に直に触れたような気分になれるので是非オススメである。

大広間から出た一行は、近くの階段へ。
この巨大な絵の説明もあり、描かれた当時の時代背景を垣間見ることが出来る。


続いて、あの「油屋」のモデルの一つと言われている斉月楼へ。
今となっては非常に珍しい木造4階建て建築について、建設当時の話や豪華な部屋づくりの話を聞く。
ここも木の話で盛り上がり、木工ファンにはたまらない。


金具屋の特徴の一つが、壁や廊下の至る所に、水車小屋の古いパーツが使われていること。
どれももちろん本物で、しかもこれを取り入れたのが数十年前の建築当時だという。
昔から、とてもモダンで先進的なデザインを採用していたことにこれまた驚きだ。


木造4階の斉月楼を階段でゆっくり降り、1階のロビーで30分ほどのツアーは解散。
しかし、ツアー客は皆金具屋の歴史に冠名を受けているようで、案内人の9代目もそれに応えて説明延長の大サービスまでしてくれた。

ロビーにはひっそり?と「千と千尋グッズ」が並べられていた。

○関連リンク
・歴史の宿 金具屋に泊まる ~文化財巡り編~
歴史の宿 金具屋に泊まる ~源泉巡り編~
渋温泉 金具屋 情景

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