2016年2月6日土曜日

Blackmagic Video Assist Ver1.2を試す


Blackmagic Video Assistの新ファームウェアVer1.2が、本日発表された。
早速アップデートして、新規に追加された機能を試してみる。


まずは、待望の追加機能「残り収録時間ステータス表示」。
収録画面にてRecを開始すると、右上のCardステータス表示部分に見事に残時間が表示される。
これは素晴らしい!
残時間表示はBMPCCで対応できていなかったので半ば諦めていたが、無事にVideo Assistに実装されてちょっとびっくり。
なお、残時間が1minを切ると「Card Low」点滅表示にかわる。
欲を言えば、収録停止状態では「Ready」表示となり残時間を確認できないので、残時間表示してそれを「Ready」としてもいいのでは?と思う。
いずれにせよ、これで収録時の不安はだいぶ取り除かれることになるだろう。


続いては、DNxHD収録の追加。
製品発表時からアナウンスされていたAvid DNxHDフォーマットでの収録がようやく可能になった。
画質的にはApple ProResによる収録でも全く問題なかったが、期待していたのはオーディオのマルチチャンネル収録がサポートされるという噂。
早速その噂を期待して、Avid DNxHDで収録したファイルをAdobe Premiereにてプロパティを確認してみると…


あれ?オーディオトラックは2chしかないぞ?
しかも、収録ファイルの拡張子はmov。
仕様書には、DNxHDはmxfファイルと書いてあった気がするが…

ふと、Blackmagic社のHPを確認してみると、なんとVideo Assistの音声チャンネル仕様がこっそり変更されているではないか!

Before:SDIオーディオ入力 16チャンネルエンベデッド(SD/HD、QuickTimeファイル)、2チャンネルエンベデッド(Avid DNxHD MXFファイル)
After:SDIオーディオ入力 2チャンネルエンベデッド(SD/HD、QuickTimeファイル)、2チャンネルエンベデッド(Avid DNxHD MXFファイル)


これを見ると、もともとマルチ音声チャンネル収録が可能な収録フォーマットはProResだけあり、DNxHDでは2チャンネルしか対応できない仕様であることが分かる。 ProResでマルチ音声チャンネルの収録が出来れば別にそれでよかったのだが、この仕様の改変を見るとどうやらその可能性は無くなってしまってるらしい。

しかし、購入者に何の予告も無く仕様を変更するのはいかがなものか…
まぁ、Blackmagicにはよくある事と言われればそれまでだし、Video Assistの価格等を考えると仕方ない気もする。
しかし、Video Assistはハード的には素晴らしい製品であり、今回の様にファームウェアアップデートでどんどん成長していく製品であるのだから、仕様変更によるスペックダウンはとても残念である。

また、Video Assistにて音声が2チャンネルしか収録できないとなると、収録ワークフローに色々な問題が出てくる。
バックアップなども考えて、ロケではせめて4チャンネルの音声収録をしたいと思っていたので、計画の見直しが必要だ。
収録時にパラで回しているPanasonicのAVCHDレコーダー「AG-HMR10A」は、Dolby Digital フォーマットの2チャンネルしか収録できない。
こうなると、2チャンネル以上の音声を収録するには、以下の方法を探るしかなくなってくる。

・HDCAMテープの復活
HDCAMは、AES/EBU規格の20bit/48kHz音声を4ch収録できる。
しかし、テープレス時代の今、HDCAMテープ運用に戻るのも気が引けてしまう。

・外部音声レコーダによる収録
昨今では、ロケにも使えるポータブルマルチチャンネルオーディオレコーダーが各社から販売されている。
これを使えば、SDカードなどにマルチ音声トラックを収録する事が出来るが、映像との同期や記録開始/停止操作などで使い勝手は今一つだ。

・ATOMS Samuraiへの乗り換え
Video Assistと同じモニターレコーダであるATOMS Samuraiは、ProResフォーマットによるマルチ音声の収録が可能らしい。(SDI12ch+2chアナログ)
音声トラックを重視する場合は、ATOMS Samuraiを利用する手もあるが…費用対効果を考えるとかなり微妙である。

とりあえず、この件についてはBlackmagic社に問い合わせてみたいと思う。
ファームウェアのアップデートで、4チャンネル以上の音声収録には対応して欲しい所だ。

後の機能は未検証
・再生時のクリップ情報を含むオーバーレイ機能の向上
・HDMIカメラの自動収録開始/停止トリガー追加
・Canon 5DMkIIIのタイムコードサポートを追加
・SDIレベルA信号のサポート
・ゼブラレンジの拡張

○関連リンク
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